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2020/06/26

鍵の話

鍵の話アイキャッチ
いつまで経っても給付金が振り込まれません。
アベノマスクは一週間で届いたのに…。

今回は社員のひとりが「様々な鍵の種類、また鍵を失くしたらどういうことになるか」話しました。
弊社はweb制作の会社ですが、公開鍵とかそういった類の鍵の話ではなく、家の鍵の話です。

先日、家の鍵が家出をしました。これを機に鍵について見聞を深めるとともに、鍵を失くしたらどういうことになるか、についてお話しします。

家の玄関で使われる鍵

一口に鍵といっても色々なものがあります。
差し込みタイプのもの、カードキー、暗証番号、最近では生体認証なんかもありますが、ここでは一般的な差し込みタイプのものについて歴史を辿りながら説明します。

ディスクシリンダー

鍵穴がくの字型になっており、キーを差し込む向きは縦向き。
2000年頃までに建てられた家の玄関に今でも使われている場合が多いです。

耐久性に優れている、内部の構造が単純なため修理や交換がしやすいのが長所ですが、構造が単純なせいでピッキング被害にあいやすいのが難点でした。

中筒・外筒の2つのシリンダーと、それらを横切る形のタンブラーで構成されており、通常はこの障害物によってシリンダーは回らず鍵がロックされています。
正しい鍵が差し込まれると障害が押しのけられ、シリンダーが回るようになってロック解除できるという仕組みです。

ロータリーディスクシリンダー

ディスクシリンダーの改良版で、より防犯性を高めた鍵になります。
とはいえ初期に作られたものは防犯性が十分ではなかったらしく、ドライバー1本で簡単に破壊されてしまったり、10分以内でピッキングが可能だったそうです。

そういうわけでさらに改良がされた、U-9PRといった改良型ロータリーディスクシリンダーが今では主流になっています。

改良型ロータリーディスクシリンダー

PRシリーズの鍵は、形状がディンプルタイプになっているのが特徴です。
鍵の表面に深さや大きさの異なる凹みがついています。
合鍵を作るのが難しく、大体の場合、メーカーに発注することになります。
そのため、他の鍵と比べ作製するのにお金と時間がかかってしまうのですが、その分、複製するのも難しいそうです。

基本的構造はディスクシリンダーと同じですが、ロッキングバーと呼ばれる棒状の部分が追加されており、タンブラーの刻みに鍵が完全に一致しなければ中筒が回らないようになっています。

また、これまでのディスクシリンダーはピッキングする時に合っているかどうかが手の感覚で伝わりやすかったのが、ロッキングバーのおかげでわかりにくくなったそうです。
強度が上がったため、物理的に破壊するのも難しくなりました。

ピンシリンダー

こちらも少し前に作られたものは単純な構造のものが多く、防犯性が低かったそうなのですが、現在は改良され防犯性を高めたものが主流です。

シリンダー内部にピンが一列に並んでいて、片側がギザギザした鍵を鍵穴から差し込むことでそれぞれのピンが押し上げられ、シャーラインが揃った状態で鍵を回せば鍵が回るという仕組みになっています。

こちらのサイトのアニメーションを見てもらうのがわかりやすいと思います。

ピンシリンダーを開錠する技術として有名なのがバンピングです。

「バンピング」とは、「バンプキー」と呼ばれる特殊なキーをシリンダーに差し込み、ある一定の衝撃を加えることで開錠する手法です。海外では、開錠を業とする業者の間で古くから使われていると言われ、国内でも数年前から存在は知られていましたが、ネット掲示板などで取り上げられたのを機に、広く知られるようになったものです。

出典:株式会社松本建築金物店, 「ディンプルキーを開ける新手口!?」, (2023年8月9日)


ディンプルシリンダー

ピンシリンダーに分類されます。

ピンシリンダー錠のように鍵を差し込めば内部のピンが押し上げられるところは同じですが、内部のピンの本数が増えており、より複雑になっています。

多数のピン配列によってピッキングに強く、簡単に複製することはできません。
合鍵を作製する際も、本人確認などが必要になるため、盗んだ鍵をすぐにコピーすることは困難です。

しかしディンプルシリンダーはピンシリンダーの一種のため、先ほど紹介したバンピングの対象になってしまいます。
絶対に安全ということはないので注意が必要です。


一般的な鍵について紹介しました。
もしご家庭で使っている鍵が古いものの場合は気にしておいた方がいいかもしれません。

鍵を紛失した話

ここからは少し悲しい話になります。

先日、外出先からの帰宅途中、鍵を紛失してしまいました。
夜も遅く、しかも私の家の鍵は大家さんも管理会社も所有していない。
もう鍵屋さんを呼ぶしかありません。

早速探して連絡したところ、すぐに来てくれることになったのですが、鍵屋さんを呼ぶ場合、出張料というのが発生するそうです。
到着するまでの間に鍵が見つかった時も最低この出張料は支払わなければならないとのことでした。

鍵の開錠

鍵屋さんが到着し、鍵を開錠していくことになりました。
この時、身分証明書がないと開錠してもらえないので注意です。

私の家の鍵はディンプルキーなのですが、確認してもらったところ鍵穴から開けるのは難しそう。
サムターン回しで開けられないかという話も出たのですが、それもダメそう。
もう壊すしか他に方法はなさそうです。

サムターン回し

住居侵入窃盗犯などが鍵を開ける手法の一つであり、ドアにドリルなどを使って穴を開け、金属の棒を使ってドア内側のつまみ(サムターン)を回転させて開錠してしまう手口のこと。


ということで鍵を破壊することになりました。

鍵の破壊は力技です。
電動ドリルとマイナスドライバーを使って開錠します。
下の動画は破壊の様子の参考動画です。
まさにこんな感じでした。


私の家のドアには鍵が二つ付いているのですが、一つ壊すのに大体30分ぐらいかかりました。
かなり大きな音がするので「近所の人に通報されないだろうか」という不安が頭をよぎりますが、無事鍵は開き、通報もされずに済んだのでよかったです。

鍵の交換

「鍵が開いた、よかった」で帰ってもらっては困るので、続いて鍵の交換をしてもらいます。
鍵回り全体を交換するのかと思いきや、シリンダー部分のみの交換で済みました。

元々はゴール社の鍵を使っていたのですが「ゴール社の鍵は高い」「たまたま鍵屋さんがゴール社の鍵を二つ持っていなかった」という理由で違うメーカーのものに交換してもらいました。

スマートタグの導入

こうしてなんとかなったのですが、精神的にも経済的にもかなりの打撃を被ったので今後は鍵の管理をしっかりしようと。
そこで対策として、スマートタグを導入することにしました。

スマートタグ

IoT技術を利用した製品で、置き忘れ防止タグ・紛失防止タグ・セキュリティータグとも呼ばれ、スマートフォンのBluetooth機能やGPSと連携させることで、紛失時の捜索をサポートするアクセサリー。


TileMAMORIOQrioなど、色々とメーカーがあります。
以前はMAMORIOのものを別で使っていたのですが、今回はTile製品を購入しました。

Tileの製品は、本体にスピーカーが内蔵されているので、スマホからスマートタグ自体を鳴らすことができ、逆にスマートタグ本体の中心にあるロゴマークを押せばスマホを呼び出すことが可能です。
また、製品によっては電池を自分で換えることができます。

MAMORIO製品にはスピーカーが内蔵されていないのですが、その代わり薄くコンパクトなデザインになっていて、置き忘れ通知機能が付いています。
置き忘れ通知機能とは、スマートタグとスマホの距離が離れ通信できなくなるとスマホに通知が来る機能のことです。
Tileのものと違って電池を交換することはできませんが、ある程度の期間、MAMORIOの登録を続けていると OTAKIAGE というサービスで、割引価格で新しいMAMORIOと交換してもらえます。

TileとMAMORIOの違いについてはこちらに詳しいことがまとめてあったので興味のある方はご覧ください。

それぞれに長所短所があるので、心配な人は両方つけるのがいいと思います。


ここまですればもう鍵を失くすこともなくなるでしょう。
鍵の管理には気を付けましょうという話でした。

S2ファクトリー株式会社

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